●トランプがイスラエルを指示する理由
トランプはエルサレムにアメリカ大使館を移転したり娘婿にユダヤ人を迎えたりとイスラエルへの強い支持は有名だが、イスラエルやユダヤ人も一枚岩では無い。問題はトランプが支持しているのがイスラエルの中でも極右に相当するネタニヤフに代表されるシオニスト右派である点だ。ではなぜそのような事になってしまうのか?
下のXの動画ではトランプが「私が当選しなければイスラエルは消滅する!」と訴えているが、これはトランプの支持層であるキリスト教福音派(アメリカ人の約25%)がイスラエルを支持するシオニストでもあるからだ。なぜなら福音派は「世界最終戦争ハルマゲドンの際にパレスチナのユダヤ人の眼前にキリストが再臨し、ユダヤ人がキリスト教に改修する」と言う予言を信じているからで、その予言の成就のためにはパレスチナにユダヤ人がいないといけないからだ。このあくまでも「キリスト教のためのシオニズム」に複雑な感情を抱いているユダヤ人は多いという。一方民主党のハリスを支持しているのは国際派の典型的なリベラル系ユダヤ人で、国を持たない放浪時代からの伝統からか、国家権力の弱体化と(自らが目立たないためにも)社会の多様化を好む所謂グローバリストだ。このユダヤ人勢力は自分達が「パレスチナ人を迫害する民族」と見られる事が不都合なのかシオニズムに批判的な層も多く、特にジョージソロス(ハンガリー出身のユダヤ人)の財団などは親パレスチナデモを扇動しさえしている。いずれにしろトランプはシオニズム強硬派でイスラエル極右のネタニヤフ政権とも親和性が高い。なのでトランプが大統領になりあからさまにイスラエルの戦争に加担した時に日本が対米従属姿勢を取り続ければ国際的な信用を失い、それは中国に付け入るスキを与えることになるので極めて危険だ。
トランプ:カマラ・ハリスが選挙で勝つと、イスラエルという国はなくなる https://t.co/rEjSqV16jV pic.twitter.com/SstVxXKDhN
— ShortShort News (@ShortShort_News) 2024年9月9日
●機密解除されたソ連時代の情報戦
ロシアという国はソ連崩壊で一度国家体制が大きく変革されたので、その時に機密解除がなされている。それに加えて共産圏からの亡命者の証言で分かったのが大規模な偽情報作戦の存在。そしてそれは今のロシアに引き継がれている。SNSで「目覚めてる」を自称する陰謀論者たちとはイコールこの偽情報作戦に騙された人たちと言える。
●論説:国民主権と民主主義の本質
「誰にも支配されずに自由でいたい個人の意思」と「社会=群を形成しなければ生きていけない人間の性質」の間でいかにして折り合いをつけるか試行錯誤しながら進歩してきたのが人類の歴史。その一つの帰着点をシンプルに説明すると「100人くらいの村で生活している時に外敵から襲われたとして、その時に協力して村を守ろうとする人には自由と権利が与えらて尊重される」って言う人間関係の普遍的な本質にすぎない。それが民主主義であり国民主権の本質。だから憲法9条を改正せずして民主主義も国民主権もありえない。憲法9条を守れと言ってる人たちは自ら進んで自由と権利を放棄しようとしていると言うこと。
●NATOの東方拡大が戦争の原因?
「NATOの東方拡大がウクライナ侵攻の原因」というのは親ロシア派の言い分だが、その是非はさておき、考えなければいけないのは何故NATOが東方拡大出来たのかって言う点で、それはロシアの抑圧的な体制の影響下に入りたくないヨーロッパ諸国民の意思を抜きには語れないのでは無いかな?オレンジ革命にしてもマイダン革命にしてもそうでCIAがソロスがと言う前になぜそこに民意が乗っかったのかと考える必要がある。
●安倍政権の外交路線を再評価する
もちろん今次のロシアによるウクライナ侵略戦争を受けて親ロシアの側に立っている連中は論外だが、日本にとってロシアと中国のどちらがマシか?という点を考えればそれはロシアだろう。これは日本特有の地政学的な事情で、中国は距離的にも民族的にも日本に近いので領土的野心がある。さらに過去の歴史から反日感情がより強い。一方でロシアはモスクワは殆ど東ヨーロッパだし、民族的にも日本人とは全然違うので中国よりは領土的野心が無い。ロシアが日本に求めているのは日米離間であり、ゆえに主権国家としての日本の存在事態を否定しているわけでは無い。しかしその一方で中国はそもそも主権国家として日本が復活する事それ事態が許せないという立ち位置であり、アメリカ云々は二の次だ。以上の理由から日本にとっての「存立危機リスク」が中国である事は間違い無い。そもそもこの日中の位置関係でこれまで征服されなかったのは幸運なのだが、その幸運も将来的にアメリカの衰退と輸送技術の進歩により終わる可能性は充分にある。何れにしても忘れてはいけないのは日本にとって最大の脅威はロシアでは無く中国であるという事。ソレは地理的条件と人種民族の観点から当然であり、故にロシアを以て中共に対する牽制とする安部政権の外交路線は基本である。しかしそれよりもっと重要なのは日米同盟と西側との関係を通じて、ロシア中国の両方に対する牽制とすることだ。このバランス関係の中で、ウクライナに対しては金銭と人道面での支援に徹する今の路線が日本としてとりうる唯一の道だろう。この綱渡り外交のバランスが崩壊したときに日本は危機に陥いる。
●日本の偽装保守には3種類有る
日本には偽装保守、偽装右翼というのが三種類あって、一つ目は韓国との軋轢を煽って北朝鮮を利するタイプ。二つ目は反米意識を煽ってロシアを利するタイプ。三つ目は(冷戦期に主流だったが今は絶滅危惧種)中国ロシア北朝鮮との国境問題を煽りまくって日本の共産圏との融和を防ぎアメリカを利するタイプ。田母神は北朝鮮人脈とも近いし親ロシア派なので前者2種のハイブリッドだろう。ところで書いてて思ったけど中国子飼いの偽装右翼っていうのは無い。理由は簡単で、偽装だろうと何だろうと日本の右傾化を避けたいのが中国の立場だから。だから陰謀論界も親露派の保守系と親中派の左翼系は綺麗にわかれてるが原口の立ち位置なんかは微妙だ。