●台湾有事と連動するSNSの情報戦に注意!
ウクライナ侵攻に前後してロシアによる情報工作が活性化したのと同様に、台湾有事では準当事者国である日本に対しても大々的に情報工作が仕掛けられ、SNSは偽情報で溢れかえるだろう。その時に参政党やWCH界隈の反ワク親露派陰謀論インフルエンサー達がいかに日本人の敵であるかが明らかになるはずだ。「台湾有事はアメリカ戦争屋による日中戦争を惹起するための陰謀だから日本は無視するべきだ」「台湾人の大多数は中国関連のビジネスで生計を立てており中国との統一に賛成である。反対しているのはCIAに支援された工作員たちに過ぎない」こんな言説をSNSの陰謀論インフルエンサー達が主張し出すと思うが、それらは中国共産党による台湾併合をスムーズに実現するための情報戦である事を理解しておこう。中国共産党に返還された香港では既に言論の自由は無くなった。台湾人は香港のようになりたく無いと思っている。
香港といえば忘れもしないが、香港民主化運動の際に、中共のプロパガンダを真に受けて、あろうことが民主化運動の側をイルミナティだのCIAの手先だの悪魔化したのがSNS陰謀論者達であったが、その香港は今まさに当の陰謀論者が毛嫌いする1984監視社会になっている。陰謀論者は周庭さんはじめ、民主化運動の若者を「社会を混乱させる目的の工作員」呼ばわりしたが、実際に起きた事は自由闊達な空気のあった香港が中国共産党に支配されて言論の自由も民主主義も無い監視社会と化した事であり、それに香港市民が抵抗していたと言うのが本質だろう。こうした情報工作に騙された人達が台湾有事の際にどういう反応を示すのか。大きな懸念がある。
それともう一点、ロシアがウクライナに侵攻した当初もあったことだが現地の平和な風景をSNSに動画でアップして「実際には平穏。マスコミは大げさに報道して不安を煽っている」という「戦争は茶番」とでも言いたげな投稿も溢れると思う。しかし、よく考えて欲しい。東京の新宿で市街戦をやっていても、池袋は平和なんて事は普通にあり得る。下の画像は2023年のウクライナ危機の初期に私が投稿したものだが、今では戦域は大きく拡大してこうした「茶番説」も消えている。茶番説は各国の初期対応の足を引っ張る目的で流布されている可能性がある。
●長崎市が平和記念式典にイスラエルを招待せず、アメリカを含む5カ国の大使が参加を取りやめた件について
長崎市がイスラエルを原爆の日の平和記念式典に招待しなかった事で、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリアという5ヶ国の大使が参加を取りやめた。しかしアメリカは総領事を派遣し、エマニュエル米大使(ユダヤ人)は東京での原爆犠牲者の追悼行事には参加するという。そしてアメリカ政府は「この問題を政治問題化したくは無い」と声明を発した。左派系の情報工作が活発なSNSは例によって英米に対する憎悪を煽ろうと扇動しているが、これが全ての顛末だ。もちろん欧米諸国の不参加は遺憾であるが、この問題を利用して日本と欧米諸国の離反を図ろうとする心理戦にも気をつけなければいけない。また、今回の件に関してはアメリカのエマニュエル大使がユダヤ人であるという事が問題をややこしくさせている側面もあるかもしれない。しかし、イスラエルは確かに先制攻撃を受けた側であるものの、明らかに過剰防衛であり、長崎市長の判断には妥当性があるし、パレスチナ問題に対して日本が欧米追従一辺倒では無い姿勢を見せた事は有意義であったと言える。広島が招待して長崎が招待しなかったのも現状での日本の振る舞いとしてはバランスが良い。そしてまた、外交レベルでこのような判断をしていくためにはやはり憲法9条の改正が必須だという事だ。極東アジアの安全保障に対して日本が主体的に取り組む姿勢を示す事で、初めて対等な日米関係が構築できるという事は自明の理であるからだ。そしてそれは中東産油国との関係にも影響を与えるから、国民生活や経済問題にも大きく関わってくる問題だろう。